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保育士として働きながら、多くの子育ての悩みに接し、その相談に応えてきた原田まどかさん。「もっと身近なところからアドバイスができれば…」

本当の問題は家庭の中にあると気づいていた彼女は、施設勤務ののち、たった一人で事業所をたちあげました。

「家庭療育」

各家庭に訪問し、お母さんやお子さんにとって本当に必要な支援を探ります。

家族のありのままの姿に、じかに接することでしかできないサポート…。

「この支援を必要としている人が一人でもいるかぎり、絶対にあきらめません」子供が好き、という彼女の優しいまなざしには、強い使命感が宿っています。

『みんなのおうち』代表/子育てアドバイザー

原田 まどか(はらだまどか)さん  

家族構成 夫 、 息子7才、3才

原田さんのホームページ

仕事内容

各ご家庭に家庭訪問し、お子様との生活や子育てについて、そのご家族に合った具体的なアドバイスをします。

成長発達の心配や子育ての不安を一緒に考え、お子様とそのご家族にとって暮しやすい生活ができるよう、サポートしています。

年収

ある 1 週間のスケジュール
月曜日  8:00〜18:00

家庭訪問および子育てイベント、その他打ち合わせ(日により動きが全く違います)

時には子どもが寝てからの深夜や子どもが起きる前の早朝に仕事の準備をすることもあります。
火曜日 
水曜日 
木曜日 
金曜日 
土曜日 

午前 家族でゆっくりのんびり

午後 主人のフットサルの応援や家族とのおでかけ
日曜日

 

1 〜 50 万円
お仕事についてからかかった費用

20万円くらいでしょうか。

(家庭療育 に使うための道具など)
お仕事に就くためにかかった費用

0円 かからなかったのではなく、この事業が必要と感じたのでお金より先に立ち上げてしまいました。

このお仕事につくことになった動機、きっかけを教えてください!

以前は保育園、障害児施設で勤務をしていました。

そういった施設は環境が整っていますので、その中でお子さんに与えられること、というのは確かに数多くありました。

ただ、親御さんが抱えている問題の多くは、実際には家庭の中にあると感じたんですね。

相談もやはり、「家庭内のこと」がほとんどでした。

それはそうですよね、子どもにとっては家庭が生活の中心ですから。

それならば、その「家庭」という身近なところから、それぞれのご家族にあった分かりやすいアドバイスをすることが必要なのではないかと考えたんです。

施設でも相談はしていただいていたのですが、状況を想像しながらアドバイスし、そのアドバイスをお母様がおうちで行動に移し、その結果をまたこちらにお話していただいて、というプロセスでしたので、もっと距離感を少なくして対応させていただければ、と思ったんですね。

はじめは就職という形で探していたのですが、なかなか自分の理想とマッチするものがなく、「必要としている方がいらっしゃるなら、自分で立ち上げよう」と思い、家庭療育を始めました。

<「家庭療育」というものは一般には普及していないんですか?>

施設をやめて、私に何ができるだろう、学んできたことを何に役立てられるだろう、と考えたとき、それはやっぱり家庭での療育でした。

そこで、ネット検索などでいろいろと調べてみたんですが、「家庭療育」というものは当時1件もありませんでした。

家庭から出るのが困難な重度障害の方に対しては訪問で療育するシステムがあるのですが、一般の家庭に対して訪問を主として行っているところは、私が調べた範囲では無かったんです。

私が考えているこの壁を、同じように壁だと感じている人がいるのでは、と思い、それならばお金のことよりなにより、まずは自分でやってみようと思いました。

<悩みをもつお母さんたちの現状は?>

お母さんたちには、子どもについて何か心配事があっても、「もしかしたらこれは聞いてはいけないことかな」、「このくらいのことは知っていなくちゃいけないことなのかな」、というような思いがあって、なかなか人に悩みを相談しない場合があるんですね。

たとえ電話相談などをしても、実際の子どもの様子を見た上での回答ではないので、結局は育児書にかいてあるようなことしか言われなかったり、相談するたびに担当者がかわってしまい、毎回同じことを説明しなければならなかったりで、お母さんにとってはかえって労力がいったりするんです。

相談を受けられている方も親身なのですが、このような状況ではせっかくのアドバイスがお母さんの心にストンとおちてこないことがあるんですよね。
<子育ての悩みって?>

今では子育てを支援する場所が増えて、たくさんのお子さんやお母さんがそこを求めて行かれています。

でも、外で過ごしている間はすごくいい関係だったのに、家にかえってくるとお子さんが妙に不安がったり、かんしゃくをおこしたり、というようなことがあります。

また、外にでると引っ込み思案でおとなしくしているんですが、家にかえると今度は問題行動が多くなる、というような場合もあるようです。

関係がギクシャクしている、というと表現がちがうのかもしれませんが、外での関係が充実したぶん、おうちでの関わりが難しくなってきているように感じます。

また、これはご家庭によって様々ですが、お子さんが家で「これはいやだ」、と拒否したり、反対にひとつのものに執着したりすることがあって、ちょっと母親ひとりで対処するには大変、ということがあるんですね。

私もはじめの頃は障害のあるお子さんのいるご家庭を対象にした家庭療育を考えていたんですが、子育てって、障害があるお子さんのお母さんだけが大変なわけではないんですよね。

一般のご家庭でも、お母さんとお子さんのフィッチが合わないことがあるんです。

私は、支援を必要としている人が一人でもいるかぎり、この仕事を絶対にやめない、あきらめない、と思っています。

 

お仕事を始めてから気がついたことは?

まず大変だなと感じたのが、「認知度」をどうするか、ということです。

自分の事業所をどう周囲に理解してもらうか、そして、どう活用していただけると良いのか、ということを説明するのが一苦労でしたね。

子育てイベントに参加したり、宣伝をしたりして、今では理解し、必要と感じてくださる方が増えました。

家庭訪問をしていて、お母様やお子様の笑顔に「やっていて良かった」と思います。

これからは「持続し続けること」が大きな課題です。

「初心忘るべからず」と思っています!
このお仕事につくまでの道のりを教えてください!

物心ついたときから、「先生になりたい」というのがありましたね。

その先生、というのは、分化していくうちに、「小さい子どもをみたい」という方に向いていきました。

保育園の年長のころから、0歳児クラスに顔をだして、「小さな親切大きなお世話」をしていたみたいです(笑)

お世話をすることが、もともと好きなんですよね。

それから、子どもの頃に通っていた学童の上が障害者の施設だったのですが、彼らに周囲の大人にはない輝きを感じていました。

子どもが SOS を出したときにそれに応えられる大人になりたい、というのがずっとありました。
 
お仕事をしていて、一番楽しいと思うこと、やりがいを感じることは何ですか?

お子さんの、偽りではない本当の笑顔や安心した表情を見たときが本当にうれしいです。

反対に、自分の気持ちをさらけだして怒ってくれることもあって、それもとてもうれしく感じます。

また、お母さんが本音で私に接してくれ、ときには涙を流されることもあるんですが、それは気が抜けて、ストレスが軽くなっているということで、そういう瞬間、やっていてよかった、と心から思います。
今後にどのような展望をもっていますか?

現在は自宅を事務所にしていますが、いつかは拠点をもち、そこから専門職を派遣したりしたいですね。

そしてその拠点を、飛び込みで相談を受けられる「駆け込み寺」のような場所にしたいと思っています。

家庭の中を見せるということに対して敷居が高い日本では、まずご家庭に近い環境を用意させていただいて、敷居が少しさがったところで、「では次はおうちで少しやってみましょうか」というステップを踏むことも必要だと思いますので。

目標は3年後ですね!
家事と仕事を両立するなかで、工夫していること、心がけていることは何ですか?

私の努力だけでは、この仕事は成り立たないと思っています。

主人をはじめ、子どもたちの協力があってこそ仕事ができますので、そのことに感謝することを心がけています。

主人は私の仕事には関心がないと言っていますが、時々家事も手伝ってくれ、仕事に関しても文句を言わずに見守っていてくれています。

それから、残った仕事は、できるだけ家族の前では行わないようにしています。

家族が寝ている時間を利用して、家事、仕事をやるようにしていますね。

でも、睡眠はしっかりとっていますよ!

とてもエネルギッシュですが、どういう思いで仕事にとりくんでいますか?

私たちは、5年、10年と年を重ねることで経験も重ねていきますので、すごくいい面も出てくるんですが、反対に守りに入って安心したい、という思いも出てくるんだと思います。

でも、今やりたいと思ったことは、できる環境が整えられるのであれば、今やるしかない、と思っています。

私の場合は、勤める前から、結婚しても仕事をしようと思っていましたね(笑)

仕事がとても好きで、このお仕事は天職だと思っています。

そして、友人や、まわりのみんながサポートしてくれ、心を支えてもらい、知恵をかしてもらって、そして生かされていると思っています。

子どもにも、自分の仕事についてきちんと話をしています。
『みんなのおうち』 家庭療育について
<プログラムについて> こちらをご覧下さい <子育てについて>

<子どもの成長について>

私自身、自分の子育てが上手だとか、そういうふうに思っているわけではないんです。

子育てって、上手とか下手とかいうことが問題なのではなくて、自分流の子育てに自信がもてれば、それで十分なんです。

たとえば親子の相性が少し悪くても、それはどちらのせいでもないですよね。たとえいつも親子でけんかしていても、それがコミュニケーションの方法になっているということがあるんですよ。

それに、お母さんが疲れた、と言うことは決して間違っていないんです。

いっぱいいっぱいのときは、「疲れた」といって投げ出したいですよね。

お母さんも同じ人間ですから。

でも、他人に家庭の弱音をみせることに抵抗をもたれるかたは多くおられます。

家庭への敷居を下げるのは、勇気のいることですよね。

ですから、最初にお電話を下さったときには、まず「その勇気にありがとうございます」と申し上げています。

家庭療育をしていくなかで、私とお子さん、そして私とお母さんとの信頼関係があれば、お子さんは変わっていくと実感しています。 どうか「家族の問題を家族だけで抱え込まないでほしい!」と思っています。

保育園や施設勤務の経験を通して、成長ってあたりまえじゃないんだ、ということをすごく感じていました。

たとえば箸をつかうにしても、その前にまず手を使って食べ物をどこにもっていくか、というところから始まります。

ここにもっていったら食べられる、ここだと落ちちゃう、ということを自分で確かめながら距離感を覚えていくんです。

まずは手づかみが大切なんですね。

そのあとの箸の握り方にも順序があって、最初はただ握っているところから、だんだん動きが分化していくんです。

自分自身の経験や専門職との仕事を通して、成長やその過程には意味がある、ということを学びました。

それを知ると、見方も楽しくなります。

たとえば何でも口に入れてしまうのは危険なことですが、口に入れることで、口にいれてはいけないものがある、ということを敏感な舌で学ぶんですよね。

もちろん一人ひとりパターンが違うということもありますが、プログラムでも、今はこういう成長過程にあるので、次はこうしましょうという形で見通しをたてています。

知識は、お母さんの安心にもつながります。
<『みんなのおうち』名前の由来>

家庭のなかでは、誰か一人が主役、ということはないですよね。

だれもが主役になっていいと思います。

その中での上下関係というのは確かにあるんですが、それは誰かが犠牲になったり、ひとりががんばって家庭を守る、ということではなくて、一人ひとりにそれぞれの役割があって、一人ひとりが輝いている場所が家庭だと思います。

たとえば、子どもは生きているのが精一杯の生き物ですが、その子が笑うことで、お母さんの疲れがふっとんでしまう。

それもりっぱな役割ですよね。

お父さんは仕事で忙しくて、お母さんが手伝って欲しいと思ってもなかなか難しい、というようなことはどうしてもあるんですが、それでもお互いに思いやれる余裕とか、支えあい、寄り添いがあれば、それも子どもに必ず伝わります。

ファミリーは英語で家族、地域、社会、集団と訳されています。

家庭という場所は、家族一人ひとりが輝くことのできる『みんなのためのおうち』です。

地域や社会、そしていろいろなところにそんな思いがつながっていけばいいな、と思い、『みんなのおうち』という名前をつけました。
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